お金とお金の工面

低金利時代の定期預金とのつきあい方

金利低下に伴い、色褪せる定期預金の価値

日本銀行が金融緩和政策として導入したマイナス金利の影響で、住宅ローンを始めとした銀行の金利低下がいっそう進みました。「バブルの頃は定期預金に10年置いておいたら倍になってた」と言う話は団塊世代から良く聞きますが、それは民間銀行の金利が7%前後あった頃の話です。高度成長期を終えた日本に対して、同じ水準の金利は期待できないのではないでしょうか。そんな金利の引き下げが続く今、定期預金にお金を預けるメリットはあるのか検証してみましょう。

1「金利を考える」
金利をイメージで捉えるひとつの方法として、「72の法則」という物があります。「72÷ 年利(%)= 資産が倍になるのに要する年数」という計算式です。バブル時代の金利7%で考えると、「72÷7=10.28…」となり、確かに10年程で倍になる事がわかります。では、現在の金利を例えば0.01%として計算するとどうでしょうか。「72÷0.01=7,200」7,200年はあまりにも現実的な数値ではありません。つまり、預金で資産を増やすには「預入期間」と「金利」が重要なポイントになりますが、現在の低金利では何年かけても資産は殆ど増えません。積極的な運用には定期預金は向かない事がわかります。
2「利便性を考える」
そもそも定期預金は、普通預金に比べて、長い期間金融機関にお金を預ける事を前提に、高い金利を約束される仕組みです。しかし、現在のコンマ以下の金利では殆ど利息がつかないのは上述の通りです。そんな中、ATM手数料がかかってしまったりすると、もはやその手数料分を利息で取り返す事も難しくなってきます。また、急に資金が必要になって、定期預金を解約せざる得ない事もあるかもしれません。当たり前ですが、その場合は期日前解約となり、当初の金利は約束されません。流動性の良い普通預金と比べ、使い勝手が良くありません。このような不便な点を考えると、大した利息も期待できない今は、手数料がかからない分、自宅でタンス貯金をしていた方がマシと言う人がいるのもうなずけます。
3「定期預金のメリットとは」
低金利の時代でも、定期預金で資産運用をし続ける人はいます。まず、メリットはなんといっても「安全性」です。金融機関に預けた預金は1,000万円とその利息までは、預け入れた銀行が破綻しても守られる法律があるからです(ペイオフ)。金融機関の破綻を懸念する場合、預金には「安全」というメリットがあり、多少でも普通預金より金利が高くなる定期預金を選ぶのは精一杯の資産運用になるわけです。また、ATM手数料や流動性の無い点を不便に感じる事を逆手に取り、自身が手をつけない為の貯蓄用口座として保有する事もできます。もちろん、実際にタンス預金をするよりATMや支店の多い大手銀行の個人口座に預ける方が管理も楽で安全です。尚、定期預金の金利は金融機関によって多少違いがあります。一般的には、例えば「みずほ銀行」などのメガバンクよりは、「ソニー銀行」などのネットバンクの方が良い金利である事が多いです。また、金融機関によっては「退職金キャンペーン」など、預入金額や預入期間、資金内容に条件を設け、一定期間通常よりも高い金利の定期預金を提供する事もあります。定期預金で運用を考える人は色々な銀行の金利を調べてみるのが良いでしょう。

定期預金がペイオフの対象だとしても、金融機関の破綻懸念や利回りの低さを総合的に判断して、銀行預金以外で資産運用する投資家もいます。定期預金の代替となる金融商品としては、「個人向け国債」や「定額型個人年金保険」などがあげられます。予定利率と満期日がはっきり提示されている商品が多いからです。日本国債や定額型個人年金保険は預金よりも高い利回りを提示しており、発行元の国や保険会社が破綻しなければ、満期まで保有していれば元本が割れる心配はありません。もちろん当初の予定利率は約束されませんが、中途解約も可能です。株式や外貨、投資信託など値動きが大きく、また金融市場の動向や為替相場を常にチェックしないといけない資産運用に躊躇される方には、満期日や予定利率が決まっている金融商品の多い日本国債や年金保険がわかりやすく、人気商品となっています。今後の日銀の金融政策においても金利低下が懸念される中、資産運用先としての定期預金の価値はなくなりました。必要資金の一時的な貯蓄口座、ペイオフ目的として預ける、など貯蓄目的で定期預金を利用するのが良いのではないでしょうか。